バッテリーも新品になって、GB400TTはいよいよエンジン始動が目前に迫ってきました。
でもその前に、やっておかなければならない大事な作業があります。
エンジンオイルの交換です。
10年以上放置されたエンジン内のオイルは、確実に劣化しています。変質したオイルのままエンジンをかけると、潤滑不良でエンジン内部を傷める可能性があります。せっかくここまで整備してきたGB400TTをいきなりダメにするわけにはいきません。
今回は**ホンダ純正エンジンオイル「プロスポーツ 10W-40」**を使用してオイル交換を行いました。バイクのオイル交換が初めての方にもわかるよう、手順をひとつひとつ解説していきます。
なぜオイル交換は必要なの?

エンジンオイルはエンジン内部の金属同士が直接触れないよう潤滑する役割を担っています。それだけでなく、エンジンを冷却・洗浄・防錆する働きもある、まさにエンジンの血液とも言える存在です。
使い続けると熱や酸化で劣化し、汚れやスラッジが混ざって真っ黒になっていきます。特に長期放置車両は、オイルが変質して粘度が落ちたり、水分と混ざって乳化したりしていることもあります。
エンジンをかける前にオイルを交換するのは、旧車整備の鉄則です。
GB400TTに使うオイルの選び方
粘度(番手)について

オイルのパッケージに書かれている**「10W-40」**という表記は粘度を表しています。
- 左の数字(10W):低温時の流れやすさ。数字が小さいほど冬の冷間始動に強い
- 右の数字(40):高温時の粘度。数字が大きいほど高温でも油膜が切れにくい
GB400TTは、取扱説明書では10W‐30です。
40年以上前の車体で、当時は純正オイルウルトラG1だったのでしょうか。
現在では、パッケージが変わっただけでなく、オイルの粘土や部分合成油になっています。
ウルトラG1と同等であれば、プロスポーツを選択しなくても、スタンダードで問題ありませんが、今回はプロスポーツを注入します。
なぜホンダ純正「プロスポーツ」を選んだか
ホンダ純正オイルはホンダエンジンに合わせて設計されており、品質の安定感と価格のバランスが優れています。特にプロスポーツはスポーツ走行にも対応した性能を持ちながら、コストパフォーマンスも高い人気オイルです。
旧車の整備では「とりあえず純正で間違いなし」という考え方もアリです。
用意するもの
- ホンダ純正エンジンオイル プロスポーツ 10W-40
- ドレンボルト用ワッシャー
- オイル処理ボックス(廃油処理パック)
- ソケットレンチ
- ウエス・ゴム手袋
- オイルジョッキ
**ドレンボルトのワッシャーは交換のたびに新品にするのが基本です。**再利用すると締め付けたときに潰れず、オイル漏れの原因になります。消耗品として必ず用意しておきましょう。
STEP1 エンジンを少し暖める(ウォームアップ)
オイルは温まると粘度が下がり、ドレンから抜けやすくなります。
ただし今回は不動車のレストアのため、エンジンをかける前の作業となります。冷間時でも抜けますが、時間が少しかかる場合があります。エンジンをかけられる状態であれば、2〜3分ほどアイドリングさせてオイルを温めてから作業するとスムーズです。
STEP2 ドレンボルトを外してオイルを抜く
ドレンボルトの場所を確認する

ドレンボルトはエンジン右側に2箇所あります。
ちょうどHONDAの文字のOの下あたりと、キックペダルの後るに隠れているボルトです。
まず車体の下にオイル処理ボックスを置いて、こぼれたオイルを受け止める準備をします。
ドレンボルトを緩めて外す
はい、ここでいきなりドレンボルトを抜かないようにしましょう。
まずは、オイルがどれくらい入っているかを確認しておきましょう。
定期的に交換している場合で、著しくオイル量が減っていたら、危険信号です。オイルを消費しながら走っていたり、どこかから漏れている可能性があります。

右側のサイドカバーを外せば、オイルフィラーキャップがあります。
そこには、オイル量が記載されています。
今回は、フィルターは交換せず、オイル交換のみのため、1.6リットルが必要量です。
ドレンボルトを反時計回りに回して緩めます。


オイルが全部抜けるまでしばらく待ちます。抜けきったら、オイルの色も確認しておきましょう。真っ黒であれば長期間交換されていなかった証拠です。
STEP3 ドレンボルトを新しいワッシャーで締め直す
オイルが抜けきったら、ドレンボルトのワッシャーを新品に交換してボルトを締め直します。
まず手でボルトを締めてから、レンチで増し締めします。締め付けトルクはサービスマニュアルを参照してください
**締めすぎはオイルパンのネジ山をなめる原因になります。**トルクレンチがあれば使用するのがベストです。
締め直したら、ドレンボルト周辺をウエスで拭いて、パーツクリーナーで綺麗にしておきます。
STEP4 新しいオイルを入れる
注入口(フィラーキャップ)を開ける

オイルを規定量注入する
じょうごを差し込んで、計量したオイルをゆっくり注入します。
GB400TTのオイル量は、フィルター交換なしの場合1.6Lが目安です(サービスマニュアルで必ず確認してください)。一気に全量入れるのではなく、少し少なめに入れてから量を確認し、追加する方法がおすすめです。
STEP5 オイル量を確認する
車体を垂直に立てた状態でレベルゲージで、オイルの量を確認します。
オイル量が上限(UPPER)と下限(LOWER)の間に入っていればOKです。上限を超えるとオイル上がりの原因になるので入れすぎに注意します。
量が適正であることを確認したら、フィラーキャップをしっかり締めて完了です。
STEP6 確認とオイル漏れチェック
最後にエンジン下部のドレンボルト周辺を確認します。
オイルが滲んでいないかウエスで拭いてチェックします。エンジンをかけた後(始動できるようになってから)も、再度ドレンボルト周辺のオイル漏れを確認する習慣をつけましょう。
オイル交換のまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用オイル | ホンダ純正 プロスポーツ 10W-40 |
| 交換方法 | ドレンボルトから抜き取り |
| オイル量の目安 | 約1.6L(フィルター交換なし) |
| ワッシャー | 交換のたびに新品へ |
| オイル量確認 | レベルゲージでUPPER〜LOWERの間 |
エンジンオイルの交換は、工具さえあれば初心者でも必ずできる作業です。難しいのは最初だけで、手順を覚えてしまえば30分もかかりません。
旧車に乗っている方は、乗り出す前のオイル交換を忘れずに。エンジンを守るための一番シンプルで大切な整備です。
GB400TTのエンジン始動に向けた準備が、これでほぼ整いました。次回はいよいよエンジン始動チャレンジです。10年以上眠り続けたエンジンが、果たして目を覚ますのか……!続きをお楽しみに。

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