ブレーキまわりの整備が終わって、GB400TTの復活がぐっと近づいてきた矢先のことです。
フロントフォークをよく見ると、インナーチューブに沿ってオイルの滲みが。
ダストブーツはひび割れどころか、変形までしています。
オイル漏れです。
放置車両のフォークシールが劣化しているのは想定内でしたが、実際に目の当たりにするとやっぱりテンションが下がります。
でも逆に言えば、今の整備中に発見できてよかった。車検時に指摘されるより、ずっとましです。
今回はフロントフォークを車体から完全に取り外して、オイルシールの打ち替えとフォークオイルの全交換を行いました。
フロントフォークのオイル漏れ、放置するとどうなる?

「少し滲んでる程度なら走れるんじゃ?」と思う方もいるかもしれません。
でもこれ、放置すると結構まずいことになります。
漏れたフォークオイルがブレーキディスクやパッドに付着すると、ブレーキの制動力が激減します。最悪の場合、ブレーキがほとんど効かなくなります。また、フォークオイルが減ることでサスペンションの動きが悪くなり、走行安定性にも影響が出ます。
旧車のフォークシールは経年劣化でほぼ確実に硬化・ひび割れしているので、早めの交換が正解です。
用意したもの
- フロントフォークオイルシール(GB400TT適合品)
- ダストシール(GB400TT適合品)
- カワサキ フロントフォークオイル G10
- シールドライバー(オイルシール打ち込み工具)
- フォークオイルシールリムーバー
- メスシリンダー(オイル量を計量するため)
- トルクレンチ
- メガネレンチ・ソケットレンチ各種
- パーツクリーナー・ウエス
- 養生テープ(インナーチューブ保護用)
オイルシールとダストシールは必ずセットで交換します。どちらか片方だけでは意味がないので、まとめて新品にしましょう。
STEP1 フロントフォークを車体から取り外す
フロントホイール・ブレーキキャリパーを外す
今回は、フロントフォークオイルを先に抜きます。
フォークの側面に取り付けられているドレンボルトを緩めます。

取り外したら、汚れたオイルが出てきます。
フォークを上下すると、オイルが飛び出してきます。

抜けきった後は、フロントホイールを取り外して、フェンダーを取り外します。
取り外したブレーキキャリパーは、ブレーキホースはつないだまま、キャリパーだけをフォークから外して邪魔にならない場所に避けておきます。
フェンダーを外す

フロントフェンダーを固定しているボルトを外し、フェンダーを取り外します。

トップブリッジ・アンダーブラケットのクランプを緩める

あんなとこや、こんなとこのボルトを順番に外していきます。
ボルトを緩めます。完全に外す前に、フォークが落ちないよう手で支えながら作業します。
STEP2 フォークを取り外す
フォークトップのボルトを外す

フォーク上部のトップボルトを外します。内部にスプリングが入っているので、ゆっくり緩めてスプリングの反発に注意しながら開けます。
フォークを取り出す

左右同時に2本せず、自分は左側からやって、終われば右側をやりました。
時間がかかりますが、慎重に転倒しないようにやります。
STEP3 古いオイルシールを取り外す
フォークシールリムーバーを使って、古いオイルシールとダストシールを取り外します。
専用工具がない場合はマイナスドライバーでこじることもできますが、アウターチューブの内壁を傷つけないよう十分注意が必要です。できれば専用工具を使うのが安心です。
取り出した古いオイルシールはカチカチに硬化していました。これだけ劣化していれば、オイルが漏れるのも当然です。

STEP4 インナーチューブを清掃・点検する
新しいオイルシールを入れる前に、インナーチューブをパーツクリーナーで丁寧に清掃します。
インナーチューブの表面に深いサビや傷がある場合、新しいシールがすぐに傷んでしまうことがあります。軽いサビであれば細目のペーパーで磨いて対処できますが、深い傷がある場合はインナーチューブの交換が必要になります。
GB400TTのインナーチューブは幸い大きな傷もなく、清掃だけで問題ない状態でした。
STEP5 新しいオイルシールを打ち込む
養生テープでインナーチューブを保護する
新しいオイルシールをインナーチューブに通す前に、チューブの先端(溝やエッジ部分)に養生テープを巻いておきます。
これをやらないと、オイルシールのリップ部分がチューブの端で傷ついてしまいます。小さな手間ですが、絶対に省略しないでください。
オイルシールを打ち込む
インナーチューブを組んだ状態で、シールドライバーを使って新しいオイルシールをアウターチューブに圧入します。
シールドライバーはオイルシールを均等に叩き込むための工具で、これがないと片当たりしてシールが斜めに入ってしまいます。正しい深さまで均等に打ち込まれたことを確認したら、ダストシールをはめ込んで完了です。
STEP6 フォークオイルを注入する
カワサキ フロントフォークオイル G10 を使用
今回使用したのはカワサキ フロントフォークオイル G10です。
G10は10番手(中粘度)のフォークオイルで、GB400TTのような旧車のフロントフォークに適した粘度です。純正指定のオイルが廃番になっている場合でも、同等の番手のオイルを選べば問題ありません。
規定量をメスシリンダーで計量して注入
フォークオイルの量は左右で必ず同じ量を入れる必要があります。左右で量が違うと、サスペンションの動きに左右差が出て走行安定性に影響します。
メスシリンダーで正確に計量してから注入するのが確実です。
315ccを測定しました。
オイルを入れたらスプリングを戻し、フォークを数回ストロークさせてエアを抜きます。その後、オイルレベルを確認して規定値に合わせます。
STEP7 フォークを組み付けて車体に戻す
フォークトップボルトを締め、分解と逆の手順でフォークを車体に組み付けます。
トップブリッジ・アンダーブラケットの締め付けトルク
クランプボルトは締め付けトルクが指定されているので、トルクレンチを使用して確実に締めます。締め付けが甘いとフォークが動いて大変危険です。サービスマニュアルの指定トルクを必ず確認してください。
フォークが組み上がったら、フェンダー・キャリパー・ホイールを元通りに取り付けて完了です。
作業を終えて
作業後にフロントフォークを手で押してストロークさせてみると、動きが別物のようにスムーズになりました。
オイル漏れもなく、インナーチューブもきれいな状態です。

旧車のフォークオイルシール交換は、少し手間がかかりますが決して難しい作業ではありません。専用工具さえ揃えてしまえば、DIYで十分対応できます。
まとめ
| 作業内容 | ポイント |
|---|---|
| オイルシール取り外し | 専用リムーバーを使うと傷つけにくい |
| インナーチューブ養生 | 養生テープ必須・省略厳禁 |
| シール打ち込み | シールドライバーで均等に圧入 |
| フォークオイル | 左右同量・メスシリンダーで計量 |
| 締め付け | トルクレンチで指定トルクを厳守 |
GB400TT復活プロジェクト、足まわりの整備がこれでほぼ完了です。次はいよいよバッテリー交換とエンジン始動に挑みます!

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