前回、不動車のGB400TTがガレージにやってきた話を書きました。
問題点は山積みなんですが、まず最初の壁がこれ。
タンクキャップが、びくともしない。
ここから開かなければ何も始まらない。というわけで、今回はタンクキャップの固着解除と、開けた後に待ち受けていたタンク内のサビ取りまでをまるっとご紹介します。
なぜタンクキャップは固着するのか
そもそもなぜ固着するのか、簡単に説明しておきます。
長期間バイクを放置すると、金属部分にサビや腐食が進行します。タンクキャップ周辺も例外ではなく、パッキンのゴムが劣化して張り付いたり、キャップ自体が錆でかじりついたりして、開かなくなってしまいます。
GB400TTは10年以上放置されていたので、これはもう「固着して当然」の状態でした。
まず試したこと① 潤滑剤(CRC)を吹く
バイク整備の定番中の定番、CRC 5-56をキャップの隙間に吹き付けて、しばらく待ちます。
浸透して錆を緩めてくれる…はず。
結果:全然開かない。
次に、エンジンコンディショナーを、キャップの隙間からと、鍵穴から吹き付けて、しばらく放置・・・
結果:全然開かない。全く、効果なし。ピクともしない。
10年分の固着はCRC程度では歯が立ちませんでした。潤滑剤を吹いて少し待って回してみる、を3回繰り返しましたが、まったくびくともせず。
次に試したこと② 力ずく
「待ってる時間がもったいない、力でいこう」
そう思ったのが間違いでした。
力ずくは絶対ダメです。
理由は2つ。
- キャップの溝や鍵穴が変形・破損する可能性がある
- タンク本体にダメージが及ぶことがある
固着しているということは、無理な力をかければどこかが壊れます。旧車の部品は当然ながら新品が手に入りにくいので、壊したら即\アウト/です。
鍵が曲がりそうになります。
鍵が曲がってもいいや〜なんて思わないでください。
最悪、マイナスドライバーでなんて・・・まだ、早いです!!
冷静になって、別の方法を探しました。
解決した方法 ヒートガンで加熱する
調べていくうちにたどり着いたのが、**「熱を使う」**という方法です。
金属は熱を加えると膨張し、冷えると収縮します。この性質を利用して、固着部分を緩めるというわけです。
使ったのはヒートガン。ドライヤーの強力版みたいな道具で、高温の風を当てることができます。
結果的には、鍵を潰したり、無理やり開けるなら、ヒートガンを購入している方が費用対効果はあると思います。
やり方
- ヒートガンをタンクキャップ全体に30〜60秒ほど当てる
- 金属が温まったタイミングで、回してみる
- 固かったキャップが…鍵がすこしずつ回るように。
- 何回も繰り返し…鍵が90度回るようになった。
- プラハンで…タンクキャップにウエスを当てて、プラハンで軽く叩くと空きました
感動の瞬間でした。
**ポイントは「熱しすぎない」こと。**やりすぎるとパッキンのゴムが溶けたり変形したりするので、様子を見ながら少しずつ加熱するのがコツです。ガソリンタンクを扱うので、残留ガソリンや気化ガスへの引火リスクにも十分注意してください。タンク内が空の状態であることを確認してから作業しましょう。決して、バーナーはやめておきましょう!!
開いたタンクの中を見たら…
キャップが開いた瞬間、恐る恐る中をのぞきました。

サビだらけ。
予想はしていましたが、改めて見るとなかなかの衝撃です。タンク内壁がオレンジ色に染まっており、錆の粉がパラパラと落ちてくる状態でした。
このまま燃料を入れたら、錆がキャブレターに流れ込んで詰まらせてしまいます。サビ取りは絶対に必要な工程です。
タンクのサビ取りは「花咲G」におまかせ
タンクの錆取りにはいくつか方法がありますが、今回使ったのは花咲Gタンククリーナーです。
花咲Gは旧車レストアの定番中の定番で、バイク乗りなら一度は名前を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
リン酸系の液体で、サビを化学的に溶かして除去してくれます。さらに防錆コーティングの効果もあるので、一石二鳥です。
花咲Gを使ったサビ取りの手順
用意するもの
- 花咲Gタンククリーナー
- お湯(40〜50℃程度)
- ゴム手袋
- タンクのキャップ・コック類(外すか養生する)
手順
STEP1 タンク内を水洗いする
まず古いガソリンや汚れを水で流します。タンクをゆすって、出てきた水が比較的きれいになるまで繰り返します。
STEP2 水+花咲Gをタンクに入れる
タンク容量に対して、水と花咲Gをブレンドしてタンク内に注ぎます。タンクの大きさによって量は変わりますので取扱説明を熟読しましょう。
STEP3 浸け置き
タンクをしっかり密閉し、24時間以上浸け置きします。最長でも1週間位内にしましょう。
途中でタンクをゆすって、液体が全体に行き渡るようにしました。
意外と満タンになってから、ゆするとまだまだ入ります!
STEP4 液を抜いて水洗い
浸け置き後、液を抜くと…茶色くにごった液体とサビが出てきました。これがサビが溶けた証拠です。
ケミカルのパワーはすごいです。
長年のサビを取り払ってくれます。

このサビの量、ヤバくないですか・・・
その後、水で何度もすすいで完了です。
STEP5 乾燥させる
水が残っているとまたサビの原因になります。タンクを逆さにして水を抜き、ヒートガンや自然乾燥でしっかり乾かします。
乾燥後のタンク内は、入れる前とは見違えるようにきれいになっていました。
まとめ:固着も錆も、焦らず丁寧に
今回の作業を振り返ると、こんな感じです。
| 問題 | 試したこと | 結果 |
|---|---|---|
| タンクキャップ固着 | 潤滑剤(CRC) | ✕ 開かず |
| タンクキャップ固着 | 力ずく | ✕ 危険 |
| タンクキャップ固着 | ヒートガンで加熱 | ◎ 開いた! |
| タンク内サビ | 花咲Gで浸け置き | ◎ きれいになった! |
旧車整備は「急がば回れ」がすべてです。
温めて開くなんて、うそやん!!って思っていましたが、開きました!!
焦って力任せにやると部品が壊れる。時間をかけて、道具と方法を選んで、丁寧にやる。それだけで結果は全然変わってきます。
タンクキャップが開かない方の参考になれば嬉しいです
GB400TTの復活プロジェクト、まだまだ続きます。次はキャブレターのオーバーホールに挑戦する予定です。お楽しみに!

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