今回はカブ90の定番トラブルのひとつ「ホーンが鳴らない」症状について、実際の修理過程を踏まえて紹介します。
ホーンは小さな部品ですが、安全運転に欠かせない重要な装置です。危険回避のときに作動しないと大変危険ですので、しっかり原因を突き止めて修理していきましょう。
症状と初期チェック
ある日、いつものようにカブ90に乗ろうとしたら、ホーンを押しても全く音が鳴りませんでした。バッテリーの電力も問題なく、ウインカーやブレーキランプなどの灯火類も問題なし。
ということは、ホーンボタン、配線、ホーン自体のトラブルが濃厚です。
最初に確認するのは以下のポイントです:
- ホーンスイッチ(ボタン)の接点不良
- ホーン本体の故障
- 配線や端子の接触不良

ステップ1:ホーンボタンの接点確認
カブ90のホーンスイッチは、ハンドル左側のスイッチボックスにあります。長年の使用で接点部分に汚れや酸化が発生し、電気が流れにくくなることがよくあります。
まずは、ハンドル下にあるプラスのネジ2本を取り外します。

次に、配線が固定されている小さいプラスネジを外します。

そうすれば、スイッチの接点にアプローチできます。
ちなみに、ここまでバラさなくても、ホーンボタンの下側に小さな穴があります。
ここに、接点復活剤を注入することも可能です。
が、今回は綺麗にするために、バラしました。(2つ上の写真をよく見てください)
スイッチボックスを分解し、内部をチェックすると、やはり接点部分がちょっと変色していました。ここに 接点復活剤 を吹きかけ、軽く磨きます。

接点復活剤はホーンだけでなく、ウインカースイッチやライトスイッチのメンテにも役立つので、1本持っておくと便利です。
ステップ2:ホーン本体の動作確認
次にホーン本体を直接チェックします。ホーンの端子に電圧が来ているかテスターで確認し、電気が来ているのに鳴らない場合はホーン本体の故障です。
レッグカバーを取り外して、ホーンに取り付けられている配線を確認します。
この配線にテスターを当てて、電圧がかかっているかを確認します。
もちろん、ホーンボタンを押した状態です。
これで鳴れば、ホーンボタンの接点が悪かったことがわかります。
これでもならない場合は、ホーン本体の不具合も考えられます。

ホーンは経年劣化で内部の振動板が固着したり、サビで導通が悪くなって動作不良を起こします。調整用のネジが付いているタイプなら微調整で回復することもありますが、基本的には交換が安心です。
ステップ3:配線と端子の点検
スイッチもホーンも問題ない場合は、配線や端子の接触不良を疑います。端子部分がサビていると電流が弱くなり、ホーンが鳴らないこともあります。こちらも接点復活剤で清掃し、必要であれば端子を磨いてあげましょう。
実際の修理結果
今回のケースでは「スイッチの接点不良」が原因でした。清掃後、ホーンはしっかり元気よく鳴るようになりました。作業自体はそれほど難しくありませんが、放置すると安全上のリスクが高いトラブルなので、早めの対応をおすすめします。
まとめ
- ホーンが鳴らないときは 「スイッチ → ホーン本体 → 配線」 の順で原因を切り分ける
- 接点不良が多いので、まずは接点復活剤で清掃
- ホーン本体の寿命なら新品交換を検討
- 電装トラブルは放置せず、早めに対応が安心
カブ90は構造がシンプルなので、DIYで修理できる点も魅力です。この記事を参考に、安全に楽しいバイクライフを続けてください。
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